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日本代表幹事の挨拶および設立経緯の説明 (江橋正彦氏)
2011/5/28
はじめに
雨の中、MJSの第1回会合にこのようにたくさんの方々にご参加いただき大変うれしく存じます。 私、今日の司会を務めます日本側代表幹事の江橋正彦です。すでに皆さんはMJSのホームページをご覧になられたと思いますので、詳しい紹介はしませんが、ここ明治学院大学の国際学部でアジア経済や開発経済を専門に研究しています。また、ミャンマー、ベトナムの恵まれない子供たちの教育支援に取り組んでいる本学の学生たちが中心のNPO JUNKO Associationの理事長をしております。

今日のプログラムは、最初の会合ですので、第1部と第2部に分け、第1部でMJS発足の経緯と会のねらいについて説明したのち、幹事の紹介、そして参加者の皆さんの自己紹介をお願いします。第2部はご案内の通り、アジア経済研究所の工藤さんのご講演と質疑応答、という形で進めてまいります。

経緯とねらい
初めに、MJS発足の経緯と会のねらいについて、私のほうから簡単にご紹介させていただきます。 ご承知のとおり、戦中、戦後を通じ日本とビルマ(現在のミャンマー)は緊密な関係にありました。その背景には、第一に、ミャンマーの人々の優しさと温かなミャンマー社会が、何らかの形でミャンマーにかかわった多くの日本人を魅了したという事実があります。
「ビルキチ」という言葉があります。この言葉を聞いたことがある方は挙手を願います。「ビルマキチガイ」つまり「クレージーなほどビルマが大好きな人」という意味ですが、私がこの言葉を初めて聞いたのは30年ほど前のことで、不思議な言葉だなと思いました。タイが好き、ベトナムが好きと言う人はもちろん日本にいますが、「タイキチ」、「ベトキチ」という言葉は聞いたことがないのに、なぜビルマは「ビルキチ」といわれるクレージーなファンがいるのかと。それほど、ミャンマーの人々や社会が、兵隊としてあるいは仕事や旅行などの形で一度でもミャンマーにかかわった日本人たちを魅了したわけです。しかも、その現象は、現在でも続いていて、その証拠に私や私の学生たちの多くは「ビルキチ」になっているのです。 もう一つの背景としては、1960年代半ばから1980年代の終わりまで、日本が援助や貿易でミャンマーにおいてぬきんでた存在だったことがあったと思います。援助や貿易で多くの日本人がミャンマーを訪れ、ミャンマーからも日本は大変頼りにされました。

しかし、1988年の民主化暴動以後、円借款が停止され、ミャンマー軍事政権と日本政府の関係も必ずしも順調ではなかったうえ、欧米諸国の経済制裁の影響もあり経済関係も低迷していたことから、日本とミャンマーの人的パイプもとても細いものになっていました。ミャンマーに関する情報もほとんどが軍事政権とスーチーさんとの対立に関するものばかりで、日本の若い人たちはミャンマーについてほとんど知識や関心を持たない状態でした。

日本とミャンマーの関係を今一度緊密なものにしたい、そのために日本とミャンマーの人たちの人的交流を促進したいと思っていたところ、私の友人で早稲田大学の木下先生が9年ほど前から「中国塾」という中国人留学生と日本のビジネスマンを中心とした交流会を主宰し、毎回、100人ほどの人が集まり活発な議論をしていることを知りました。中国と日本の間では、この数年間に反日デモや尖閣列島漁船衝突事件などあって日中関係は何度も冷却しましたが、このようなときだけになおさら、中国塾のような草の根レベルの人的交流の場の存在は貴重だと思いました。

ミャンマーに軍政ではない新しい政府が誕生するということで、日本の企業もミャンマーに熱い視線を向け始めているこの機会に、このような会をミャンマーの留学生やその卒業生たちと設けてはどうかと、1月末に私の周りにいる「ビルキチ」に相談したところ、即座に発起人になってくれるということでした。これに意を強くして、今度は、ミャンマー側の代表をやってくれそうな人を紹介してほしいと私の友人のミャンマー大使館一等書記官のKyaw Nyun Ooさんにお願いし、Htay Lwinさんをご紹介いただき、一緒に構想を固め、今日の第1回会合に至ったというのが、経緯です。

ホームページにあるように、当分、毎月1回、土曜日の午後にここ明治学院大学白金キャンパスの教室で会合を持ち、散会後、希望者で近所の料理店で簡単な食事をとりながら懇親会を持ちたいと思っています。当分、明治学院大学の私と私が代表をしているNPO JUNKO Associationのミャンマーチームの渡邊君他のメンバーが事務局の役割を務める予定です。

今後、会を重ねるなかで、ゆくゆくはNPOのような法人格を得るとともに、企業などの支援をえて、この会がミャンマーの優秀な学生に日本に来るための奨学金を出せるようになりたいとも考えているところです。長くなりましたが、MJSの経緯と会のねらいをご紹介しました。
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